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台湾での留学生活など

海外の大学へ進学するという選択肢【台湾編】

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Photo by Bryan Minear on Unsplash

 突然だが、皆さんは高校卒業後に海外の大学へ進学しようと考えたことはあるだろうか?おそらくだが、そんなには多くないと思う。僕もまさか自分が、高校卒業後に日本国内の大学へ行かずに海外の大学へ進学してしまうなんて思いもしなかった。今日は改めて、僕の経験から、海外の大学へ進学するという選択肢があるということを、この記事で皆さん(特に今の高校生の方々)にシェアしたい。

僕は1995年に日本人の父親と台湾人の母親の間に生まれた、いわゆる「ハーフ」というやつである(最近では「ミックス」とか「ダブル」という言い方もするらしいが、実際にそう言っている人を僕は見たことがない)。生まれも育ちも日本だったので、アイデンティティはどちらかいうと、というか”圧倒的”に日本寄りだった。母親も頻繁に台湾へ帰ることはなかったので、僕自身あまり台湾へ行く機会はなかったのが大きかったかもしれない。

いわゆる地方に住んでいたので、小中高はずっと公立学校へ通っていた(そもそも他の選択肢がほとんどなかった)。地方出身の方ならある程度想像できると思うが、日本の地方というものはとても閉ざされた社会で、一般的に日本の社会は保守的だとか、閉鎖的だと言われるが、地方に比べれば日本の都会はとても開放的だと思う。とにかく、そんな場所にいたものなので、周りでも「海外の大学へ進学する」なんて発想をする人間はいなかったし(一応進学校だったので、大学進学自体は考えていたが)、それは僕も例外ではなかった。

そんな僕の考えを180度ひっくり返した出来事が2012年に起きた。日本政府の尖閣諸島国有化に対する中国本土で起きた大規模な反日デモである。当時は不勉強だったので、中国と日本の間に「尖閣諸島」という領土問題があること自体を僕は知らず、”たかが領土問題”があんな自体を起こしてしまうことが非常に衝撃的な出来事だった。

あの出来事がキッカケで、僕は中国のことについて自分で勉強するようになった。日本の公立高校へ通っていた方ならご存じだと思うが、日本の公立学校では歴史の授業は、基本的に一番古い時代からやり始める。つまり日本史だと縄文時代ということになるが、歴史の授業はおそらくどの学校も国英数の3教科ほど重視されていない(特に進学校ではそれは顕著だと思う)ので、近代まで進むことはまずないと言ってもいいかもしれない。

実際、僕が通っていた公立高校も日本史は明治初期までしか進まなかった。つまり近代史というものを学校で習っていないのである。なので、近代史は自力で勉強する必要があった。逆に言えば、自分で勉強しようと思わなければ、日本の教育を受けた大抵の人は、自分の国の近代史も知らないということになる。今考えると、とても恐ろしいことではあるが、そんな状況だったので僕は自分で中国、特にその近代史について勉強し始めたのである。

昔から本を読むのは好きだったので、中国について書かれた本を沢山読むことは僕にとって全く苦痛では無かった。そして、僕は色々な本を読んでいるうちにあることに気付いた。日本語の本だけでは得ることができる情報に限界があったのである。ましてや中国側の情報を得ようと思ったら中国語を理解する必要がある。当時の僕は英語はそれなりに読めたが、台湾人の母親とはずっと日本語で話していたので中国語は読むどころか話すこともできなかった。この時、僕はようやく外国語が読める(話せる)ことの重要性に気付いたのである。そして、僕は中国語を勉強するために台湾へ渡る決意をする。

なぜ台湾かというと、ただ単純に母親が台湾人だったからである。なので、もし母親が中国人だったら大陸中国の方へ行っていたと思う(それぐらいの理由で十分だと個人的には思う)。そして、勉強するなら徹底的にやりたいと思い、色んな選択肢を模索していたところ、ネットで「台湾の大学進学」という文言を目にしたのである。どのサイトだったのかはもう思い出せないが、おそらく台湾の大学への進学予備校的なサイトだと思う。とにかく、そのサイトで高校卒業後に台湾の大学へ進学するという選択肢があることを知った僕は、すぐに両親にそのことを相談した。両親は僕はいきなりそんなことを言い出したことに少し戸惑っていたが、割とすぐに理解してくれた。それも母親が台湾出身だったのが大きいと思う。両親が2人とも日本人だったら説得はもっと難しかったかもしれない。

僕は両親を説得することに成功したが、その時点ではどう台湾の大学へ進学するのか右も左も分からない状況だった。ネットで調べてみても当時(2012年)は台湾の大学進学についての情報がほぼ皆無だったので、自力で台湾の大学のサイトを見つけて外国人留学生の募集要項を探した覚えがある。この時点でまだ中国語はさっぱりだったが、幸い英語はそれなりに読めたので、英語版も用意されている外国人留学生の募集要項も自分が必要な情報は得ることができた。今振り返ってみるととてもタフな作業ではあったが、とても大切なことだったと思う。

それから僕は、まずは中国語をできるだけネイティブレベルに近づけてから台湾の大学に入りたかったので、高校卒業から1年間は台湾現地で中国語の勉強に専念することに決めた。いわゆる語学センターの学費は1学期(3ヶ月間)で約3万元(今のレートだと11万円ちょっと位)、1年間通うと約12万元(45万円くらい)なので、決して少ない出費ではなかったのだが、両親は「お前がやりたいことをやればいい」と僕の選択を尊重してくれた。ただ今考えると両親も金銭面で少し無理はしていたと思う。それでも僕の好きなようにさせてくれた両親にはほんと感謝している。

語学センターに通った約1年間はとても充実していた。クラスメイトには、日本にいた頃は実際に関わる機会なんてなかった欧州人(オランダ、ドイツ、スペインなど)、米国人、アジア人(韓国、ベトナムなど)たちと沢山お話できたし、彼らとの関わりの中で僕自身「世界」というものに対して興味が湧き出していたのをひしひしと感じていた。当時、まだ台湾の大学で何を勉強するか漠然としか考えていなかったが、「国際関係(Internatinal Relations」)という学問があることを知り、それを勉強できる大学へ行こうかと考え始めていた。結果、今通ってる大学の「外交学科(Department of Diplomacy)」に申請し、合格して今に至る。

「海外の大学進学」と聞くと、米国や英国など英語圏の大学進学をイメージする人も多いと思うが、台湾や韓国などアジアの大学進学も決して悪くないと思う。これらの国の大学へ行っても英語は勉強しないといけないし、現地の言葉もきちんと勉強すれば習得できる。何よりアジアはこれから伸びると言われている地域である。

もちろん、本当に自分が興味の持てることを勉強しないと卒業するのは難しいと思うので、勉強したいことがあることが前提ではあるけれども、高校卒業後に英語圏に限らず海外の大学へ進学するという選択肢があることを皆さんには知っておいてもらいたい。だからと言って、海外の大学へ進学する方が日本の大学へ進学するより良いのかと言われれば、決してそうではないと思う。海外の大学進学はあくまで選択肢の一つでしかないので、高校生の皆さんは自分の将来をきちんと考えた上で、現時点の自分にとってベストな選択をしていただきたい。そして、台湾の大学進学について何か質問や疑問がある方は遠慮無く僕にTwitterのDMで聞いていただければと思う。

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